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人形の家

2008/10/06 23:50
上演は終わってしまいましたが・・・

作/ヘンリック・イプセン
演出/デヴィッド・ルヴォー
出演/宮沢りえ 堤真一 山崎一 千葉哲也 他
会場/シアターコクーン

最近、翻訳劇を観に行くときはなるべく戯曲を読んでから行くようにしている。
自分なりに内容を把握して整理しておかないと、理解できないことが多いから・・・
今回、メイン二人のイメージがずいぶん違っていた。
でも、プログラムを読んである意味納得。この人物像であるからこそ、今でも消えることのない差別や偏見に改めて気付いて、共感することができるのかもしれない。
女性の自立が描かれる反面、旧体制に縛られ、作り上げられた男性像から逃れられないヘルメルが滑稽であり、哀れに見える。
いろいろなしがらみがあるにも関わらず、心は女性の方が自由なのかも・・・。

セットらしいセットのないセンターステージで演じる役者は大変だ。
四方から見られているから一瞬たりとも気が抜けない。
その上、後半に向けてどんどん緊張感の高まる舞台。
そんな中、ほとんど出っぱなしの宮沢りえに拍手。
三幕後半の衣裳がよく似合っていてとても美しかった・・・ため息・・・
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sister

2008/08/03 00:11
「sister」
作・演出/長塚圭史
出演/松たか子 鈴木 杏 田中哲司 中村まこと 梅沢昌代 吉田鋼太郎
会場/PARCO劇場

前半の含みのある台詞に翻弄されてちょっと疲れてしまったけれど、役者の、特に松たか子の体当たり演技に圧倒され、緊張感たっぷりの芝居だった。
でも、芝居自体は悪くないのだけれど、じっくり考えてしまうと何とも言えない違和感が・・・
松たか子演じるところの“姉”が取り込まれ、こだわりつつけているのは、近親相姦や性的虐待への嫌悪や憎悪ではなく、結局のところ、自分ではなく“妹”と共に死んで行った父へ向けられた怒りであり、悲しみであるように見えた。ひどく歪んではいるけれど、彼女の中にあるのは純粋すぎるほどの愛なのではないかと・・・。
本当なら滑稽に思えるはずの“父”の言葉が肯定されてしまったような・・・。
う〜ん、芝居という世界だからこそではあるのだろうけど、嫌悪されるべきところが美しく描かれ過ぎてしまった感じがした。
一時期より毒が減ったのか???
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「ウドンゲ」と「まほろば」

2008/07/23 00:25
7月前半の観劇。
どちらも登場人物は女のみ。
どちらも面白かった、種類は違うけど。

「ウドンゲ」
作/赤堀雅秋  演出/G2&3軒茶屋婦人会
出演/篠井英介 深沢敦 大谷亮介
会場/ベニサンピット

いるいるこんなおばさんたち・・・。
どちらかといえば静かな会話からだんだんと物語の核心に迫って行くのだけど、
思春期の女の子って、そ〜んなたわいないことで友達失くすんだよね、
なんて思ってしまう話をおばさんにしか見えない男性三人が演じている。
あぁ、おもしろい・・・。
篠井さんと深沢さんはそのままなのでいいのだけど、
いちいちスリッパを履く仕草とか、大谷さん、この稽古期間中は日常生活もこんななのかしら???
あぁ、ほんとかわいい・・・。
何年ぶりかのベニサンピットだったけど、好きな空間のひとつだ。


「まほろば」
作/蓬莱竜太  演出/栗山民也
出演/秋山菜津子 中村たつ 魏 涼子 前田亜季 黒沢ともよ 三田和代
会場/新国立劇場小劇場

いろいろな年代、立場の女が六人。
舞台上で繰り広げられる会話は面白く、切なく、痛い。
人物はありがちでわかりやすい設定なのに、出てくる言葉は型にはまらず、
脚本、演出、役者の巧さが滲み出る舞台だった。
女ってパワフルだなぁ。


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あかさかさかす

2008/06/29 11:59
芝居を観に赤坂に行って来た。
最近、芝居が絡まないと都会に行かない。人混み苦手。
赤坂サカスは別に何ということもない複合エリアで、やっぱり芝居が絡まないと行かないだろうなぁ。
ACTシアターの今後のラインナップからしても、たぶんあまり縁のない場所。

観て来たのは「かもめ」。



作/チェーホフ 演出/栗山民也
出演/藤原竜也 鹿賀丈史 麻実れい 美波 他

戯曲は読んでいたけど、う〜ん・・・
言い回しが小難しいし、派手な芝居でもないし、周囲は船漕いでる人続出だった。
鹿賀丈史、好きな役者さんだけど、トリゴーリンを演るにはやはり年齢的に無理がある。
麻実れいよりも若くさえ見えないのに・・・
芝居全体の印象がこのキャスティングでだいぶ違うだろうな〜と思うと、残念だ。
一番印象的だったのは美波。
清潔感のある可愛らしさが暗い舞台の唯一の明かりだった。
「エレンディラ」観とけばよかった。今後に期待できる若手。

休憩込み約3時間の上演時間でちょっと疲れたので、
さっさと帰途についた。
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2006年の忘れもの2

2007/01/12 00:30
備忘録の続きを・・・
ちょっと長いので、興味のない方は流して下さい。

『タンゴ・冬の終わりに』
美しく、哀しい舞台だった。
冬の日本海の鈍色の空と海が装置の後ろに広がっている気がした。

俳優を引退した清村盛は生まれ故郷である日本海に面した映画館に戻ってくる。
それについてきた妻・ぎんと誰もいなくなった映画館を守ってきた弟・重夫。妻を姉と呼び、狂気に取り憑かれた盛を守るように静かな生活が続いていた。
しかし、かつての恋人であった女優の水尾が映画館に現れ、更に水尾の夫・連がそれを追ってくる。
水尾の出現によって、それぞれの人物が抱いていた小さな歪みが露呈し、狂気の淵を歩いていた盛は更に深みにはまっていく。
芝居の中で象徴的に描かれる“孔雀”。
盛が子供の頃に理科室から盗んで映画館に隠したものなのだが、盛はこの既にあるはずもない“孔雀”を探し続け、いよいよ見つけ出す。しかしその胸に抱かれているのはだたのボロ布でしかない。
抱きかかえたボロ布を“孔雀”と呼び、誰にも触らせようとしない盛の姿を見た妻・ぎんは盛と歩んでいくことを諦め、その場から去っていく。
対照的に水尾はそれは“孔雀”はない、ただのボロ布だと解らせようと盛に対峙する。
そして、水尾は盛に、盛は連によって最期を迎える。

舞台となったのは60年代後半から70年代前半。
“孔雀”は何だったのか?
失ってしまった夢なのか、信条なのか、政治なのか、観る人によって様々なものに見えるのだろう。
しかし、私には清村盛という人物がぎんと水尾にとっての“孔雀”に見えた。
狂気の世界に入り込み、コントロールの利かなくなった男に女二人は何を求めたのだろう。
全てを受け入れ、寄り添うように側にいたのに、最後には諦め離れていくことを選んだぎん。
若さ故の熱情と愚かさで、自分の力で人を変えることができると信じて疑わない水尾。
結果的に水尾の行動は事態を悪化させ、本人も命を落とすことになるのだが、その姿は潔くも見える。それよりも、最後に残り、その場所で起きた事実と関わった人達すべての悲しみを背負って、ひとり生き続けなければならないぎんの姿が切なかった。

芝居の中で使われた“カノン”と“タンゴ”がいつまでも耳から離れずにいた。

2006.11.4〜29
Bunkamuraシアターコクーン
作 清水邦夫
演出 蜷川幸雄
出演 堤真一 常磐貴子 秋山菜津子 毬谷友子 段田安則 他
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2006年の忘れもの1

2007/01/05 17:41
2006年後半に観た芝居、今更だけど自分のために備忘録として、残します。

『オレステス』
ギリシャ悲劇って・・・
またしても、翻訳劇を理解する難しさというものを実感。
その時代の歴史、宗教、世界観、そして芝居を創った人々、観た人々の心理、
更には演劇についての様式や歴史・・・、と様々な知識が必要とされる。
しかし、そのすべてを網羅したとしても、
果たして“共感”したり、“共鳴”したり出来るものなのか?
ストーリーが解らないわけでもないし、うなづけるところもある。
“復讐の連鎖”といういつの時代にも繰り返されている悲劇を扱っているし、
現在の中東情勢を彷彿させる最後の演出も
それを解りやすく実感させるためのものなのだろう。
でも、今の私には、
豪華なキャスト、生のドラム・パーカッションを入れたシンプルながらも贅沢な舞台、
芝居としては楽しめるけれど、もっと深いところでの感動は得られなかった。
役者に関しては、親殺しだの復讐だのと話が話なので仕方がないけれど、
ひたすら嘆き慟哭する藤原・中嶋に食傷気味のところ、
ひょうひょうと現れる北村に救われる思いだった。

2006.9.6〜10.1
Bunkamuraシアターコクーン
作 エウリピデス
翻訳 山形治江
演出 蜷川幸雄
出演 藤原竜也 中嶋朋子 北村有起哉 他


『書く女』
作家“樋口一葉”の生涯を描く。
読んだことのある作品は「たけくらべ」、夭逝した女流作家、5000円札。
そのくらいの興味と知識しかないのだけれど、
楽しみつつ、ちょっと切ない気分で劇場を後にした。
コミカルでテンポのよい前半に比べ、
後半は時代背景や文学論など説明的な台詞が多く、
もたついて見える場面も多々あったのだが、
それを省くと一葉の成長や変化も見えにくくなりそうで致し方ない。
それでも休憩込み約3時間を長くは感じなかった。
さて、この芝居の中で、
樋口一葉という人生をなぞった時、キーになるのが“半井桃水”という男性。
観る側が一葉と桃水の関係をどう捉えるかによって彼女の人生の観え方も変わってくる。
しかし、人間一人の人生の見方がたった一人の男性に左右され、
死後も論が尽きないとは、これも24歳という若さで亡くなったゆえ?
もちろん、誰にでも身近な“恋心”が絡んでいるからこそ、
芝居として更に楽しめるのだとは思うのだが・・・
それにしても寺島しのぶは巧い役者さんだなぁ。
笑いを誘いながらもそれに偏ることなく、細やかに一人の女性の生涯を演じている。
何とも言えない色気を持った女優さんの一人だ。
そして筒井道隆はずるい!
情感豊かに表現する役者ではないし、それほど巧い、と感じることもないけれど、
役に“ハマる”のだ。どの芝居を観ても。
使い方が巧いのか使われ方が巧いのか・・・果たしてどちらなのだろう?

2006.10.2〜15
世田谷パブリックシアター
作・演出 永井愛
出演 寺島しのぶ 筒井道隆 他
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噂の男

2006/08/29 20:39
約2時間半、駆け抜けた〜!という感じだった。

画像

舞台は(お笑い)劇場の楽屋。
過去と現在の人物が絡み合い、いくつかの事件の真相が明らかになっていく。
謎が解かれていく過程でそれぞれの人物の本性も現れていくのだが、
これが痛い。
演出も表現も痛いけど、それ以上に人物そのものが、痛い。
ラストまで救いがなく、なんとも空しい世界だった。
人間、良い人ばかりではないし、良い人だって必ず悪い心を抱えている。
そして、意外に残忍で暴力的だ。
純粋な愛情でさえ、ひとつ掛け違えれば、どんどん歪んでいく。
そういうものを畳み掛けるように突きつけられた芝居だった。

しかし役者は巧い。
タイプの違う役者の力と力のぶつかり合いを堪能できるお芝居だ。
時間を感じさせないパワーに圧倒される。
それでも、せっかくこれだけ一堂に集められるのなら、
もうちょっと小気味の良い芝居が観たいなぁ、と贅沢にも考えた。

2006.8.11〜9.3
渋谷 PARCO劇場
作 福島三郎
演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 堺 雅人 橋本じゅん 八嶋智人 山内圭哉 橋本さとし 他
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白石加代子「百物語」第二十三夜

2006/08/24 21:36
またもやだいぶ前の感想ですが。
白石加代子さんがライフワークとして続けている「百物語」。

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以前から観てみたかったのだけど、なかなか「よしっ」という気が起きず、縁がなかった。
たまたま某プレイガイドの割引チケットの案内が来たので、「これは!」と思い、申し込んだ。
演目は夢枕獏原作の陰陽師「首」と朱川湊人の「栞の恋」

 このとろこ、毎日毎日寝ても寝ても眠くて、仕事中にパソコン打ちながら寝てるくらい眠い。
今日もやたら眠くて、大変申し訳ないことに前半「首」はず〜っとうとうとしてしまった。
あ〜、もったいないことをしてしまった。でも、ほんとに耐えきれなかったのだ・・・。
白石さん、ごめんなさい。
そんな訳で「首」は置いておいて・・・。

「栞の恋」
とても切なくて、優しい話だった。
恋をする少女の一人称で語られているので、白石さんも少女だ。
かわいい、とてもかわいらしい少女に見える。凄いなぁ。
観終わった後、心がほんのり温かくなった。
「かたみ歌」という短編集に収録されているので、
細かいストーリーを知りたい方はこちらを読んで下さい。

朗読劇とも一人芝居ともちょっと違う。一人語りのこの舞台。
当然舞台に立っているのは白石加代子さんだけ。
大仰な舞台装置もなく、派手な身振りもなく、
休憩を挟みつつ、本を片手に、前後半とも1時間の演目を演じきる。
物凄い存在感とエネルギーだ。
そして、カーテンコールで拍手を受ける白石さんは
舞台に立ち続け、演じ続けていられることを、
観客の拍手に迎えられることを、心の底から喜んでいるように見えた。
素晴らしい役者さんだなぁ。

興味のある方は一度ぜひご覧になることをお薦めします。

2006.8.19
なかのZERO
構成・演出 鴨下信一
出演 白石加代子
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猫のホテル「電界」

2006/08/08 00:19
猫のホテル、2回目。

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音響、照明、装置、特に派手なわけでもなく、ものすごく奇抜な演出があるわけでもない。
どちらかと言えば淡々とシーンが重ねられていく芝居だ。
シーンひとつひとつのアクは強いけど・・・
役者も一癖二癖・・・濃いけど・・・
そんなところが前回気に入ってまた足を運んだ。

昭和の話。
東京近郊の土地開発、埋立てをめぐる地域住民と開発側のやりとりの中で個々の人間が描かれる。
なんとも物悲しくて愚かしい人々。
人間やめたくなっても、やめずに生きていかなくちゃ行けないし、そんな滑稽な人間(自分も含めて)を愛おしいと思いたいよね。
なんてことを終演後、考えた。

役者さんたちはそれぞれ達者。
近頃ハマっている「池田鉄洋」、やっぱりいいな〜。

2006.8.2〜6
下北沢 本多劇場
作・演出 千葉雅子
出演 松重豊 中村まこと 市川しんぺー 他
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あわれ彼女は娼婦

2006/08/03 00:26
観劇から既に1ヶ月近くが経とうとしていますが、一応書くだけ書こうかなと・・・

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三上博史、深津絵里のちょっとビックリ!?なチラシに誘われつつ、観に行ってしまった。
脇の役者さん達にしっかりかためられ、メイン3名頑張ってるなぁ、という印象。
三上博史の狂気の芝居は想像通り。ただ最初から品行方正な将来を嘱望される青年にはどうにも見えず、くら〜い淵を彷徨っている怪しい男にしか見えないのが残念。非の打ち所のない人間がだんだんと狂気を帯びて最後のシーンに突っ走っていく姿が見たかった。
谷原章介は頑張っているけれども、発声、滑舌とまだまだ舞台では素人臭さが見え隠れしていた。でも経験を積んでこなれてくるといいだろうなぁ。ビジュアル的には一番。舞台映えする容姿と声は素晴らしい武器だ。
深津絵里は、なんともまぁ可愛らしいこと。可愛いさの中に狂気を秘め、愛のみに生きて、翻弄されて死んでいく姿はなんとも切なくて美しかった。古典の台詞には相当苦しめられているようだったけど・・・。

しかし・・・
「愛」「正義」「信仰」等という言葉の下にほとんどの登場人物が自分のことばっかり考えて、自分勝手に行動して、最後は他人を巻き込んで破滅していく。この話はいったい何なんだろう?
理解し難い、というよりも理解し得ないのかな?時代、国、宗教・・・謎は深まるばかりだ・・・

2006.7.6〜30
Bunkamuraシアターコクーン
作 ジョン・フォード
翻訳 小田島雄志
演出 蜷川幸雄
出演 三上博史 深津絵里 谷原章介 他

気付いたら、ブログ自体2ヶ月も放置してました。
ぼちぼちやってきます・・
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